パターンブック制作裏話2

2022年2月11日金曜日

Tatting lace

t f B! P L



のんびりしていたら1ヶ月も経ってしまいました。
1ヶ月の間に確定申告の作業をしました。例年はEtsyだけ処理すればOKだったけど今期はお金の移動がぐっと増えたので整理するのが大変でした。今年はマメに帳簿をつけなければ💦

今回はパターン本の編み直しと校正作業について振り返ります。

編み直し


初期のドイリーは目数調整が不十分なものがあったので、パターン本では編み直しと編み図の目数変更をしました。

No.2 tatted Garland
  • 全体的な目数修正
  • 外側のスカラップ数を26から28へ変更
  • 配色の変更



mini doily Raindrops petit
  • 最終段のチェインを短く
  • 配色の変更




No.5 Circle of Lotus
  • 全体的な目数変更
  • ハスの花 - 花芯のピコつなぎを省略
  • 5段目 - 青いパーツの繰り返し回数を7から6に変更
  • 色糸を使って編み直し




No.4 Sunny の編み直しは間に合いませんでした😄


レースを自分でデザインする


世界中を探しても編みたいドイリーがなくなったら!それは自作を始めるチャンス。
自由気ままに1段ずつ作るのもOK、初めに厳密な設計図を描いておくのもOK。好きなやり方で始めましょう。便利なおすすめアプリもあります。


こちらのアプリはマンダラを描くアプリで、1リピート分を自分で描くと自動で同じ段1周分をコピーしてくれます。手書きで1周描くのがダルい方におすすめです。手直しも楽ですよ。有料だけど、120円の価値は十分あります。スマホ向けを探すなら「マンダラ 自作」あたりで検索するといいアプリが見つかるかもしれません。

このアプリはRobin Perfettiさんのブログで紹介されていたのをきっかけに使い始めました。
Robinさんありがとうございます。


実際に編む段階に入ったら同心円を5,6,8分割したデザインガイドを使うと楽です。前述のアプリの画面に実物のレースを乗せて調節するのも良いです。


クロバーのレースガイドシートは不織布なので完成後のピン打ちにも使えます。



目数調整


目数調節をどのくらい突き詰めるのか、これはいつも悩むところです。私はドイリーを真っ平らに作るのが大好きなので気が済むまで目数調節をします。あまりやりすぎると寡作になっていくから、ほどほどにしたいです。

1目増減するだけではうまくいかないこともしばしば。直接影響がありそうなリングやチェインの目数を変えてもダメなとき、クローバーや双葉があるならリング同士をつなぐピコの位置を変えてみます。つなぎのピコの位置は通常1から3目、最大5目程度にしていて、目数が少ないと葉が開いた形に、目数を増やすと閉じた形になります。双葉はつなぎのピコなしも検討します。リング次の段をつけると下の段の形を多少補正できることもあります。手詰まりになったら下の段を変えてみます。
このあたりの微調整を勘に頼らず図解と言葉にしてまとめておければデザインが捗るとは思いつつ、経験が足りずに実現できていません。少しずつでも記録にしておきたいですね。


タティングレースは同じ編み図を使用しても、編む人によって仕上がりサイズが変わります。

    1. リングのダブルステッチの締め具合
    2. リングを閉じるときの糸の引き具合
    3. チェインのダブルステッチの締め具合
    4. チェインを終わるときの糸の引き具合
    5. つなぎのピコの長さ

どの編み加減が正しいというものはなくて作るものや編み図に合った編み方が正解です。ドイリーとアクセサリーに合った編み加減は、それぞれ違ってくるものだと思います。

SNSで色々な作品を拝見していると、4の個人差がだいぶ大きいのかなぁと感じています。
私の編み加減はタティングレースをする方の平均と比べて2と4がきつめです(Jan Stawaszさんのドイリーが好きな人あるある)。平均的な手加減に変えることも一つの手ではありますが、丸いリングが好きなのでやめられない😆 お客さんが私の編み方に合わせてもらう設計なので、ただのワガママですねw ごめんなさい。将来的には編み加減が多少違っても成立するよう、ゆとりをもったデザインにしたいなと思っています。


校正・校閲


パターン本をつくるにあたってあとりえシシカスの杉山則子様にご協力いただきました。
日本語版の
  1. 解説パートと編み図のページ配分の相談
  2. 解説内容に間違いがないか確認
  3. 編み図の記述がわかりやすいか確認
  4. 全体の誤字脱字チェック
等々を担当していただき、アドバイスをいただきつつ紙面を作りました。
タティングレースに限らず何でも当てはまるものですが、人間一人の知識量やチェック能力にはどうしても限界があります。本の内容を良くするには複数人でチェックするのがとても大事だと思いました。杉山様ありがとうございました。


1. 解説パートと編み図のページ配分の相談

本のテーマというか、初学者から上級者まで、どの範囲を対象にするのかで結構悩みました。全員対象にすると3巻セットくらいになってしまうし、目数だけ見られればOKの人向けにすると楽しめる人がとても限られてしまいます。最終的には2シャトルができるようになった人が、このパターン本だけで掲載のドイリーをどうにか完成できる、というのを目安に作りました。


2. 解説内容に間違いがないか確認

私は初めから一人の先生に習っていたわけでなくて、それなりの期間が独学というか、情報源が本とブログだけの時期がありました。体系的に学んでいないせいで知識の抜けが思った以上に多くて、、😖 アドバイスをいただいて結構な数の修正をしました。
写真やテクニックの説明部分でわかりにくい部分も指摘していただいて書き直しました。


3. 編み図の記述がわかりやすいか確認

読み違いの少ない編み図になるようチェックしていただきました。

・リングの目数はできるだけリングの中に配置する

・可能な限り1リピート目に目数を書くようにする
例えばクローバーの真ん中のリングの目数だけ2リピート目に書いてあるの、すごく見づらなぁと思っていたので、自分の本では気をつけました。
  
・1段目が何回繰り返しかわかるように配置する
ライラックの編み図だけスペースが足りず文字で注釈を入れました。
 
・目数をリングやチェインの線にかぶらないようにする
シニアグラスが必要になると「文字/紙面」の判別はOKでも「文字/リングの線/紙面」の判別が辛くなってくるそうです。これは講師業をしてない私にはわからなかったのですごく助かりました。極力見やすい配置にしました。
 
・進行方向は一貫したルールを適用する
パターン本では進行方向を「飾りのピコが綺麗に見える」ように指定しました。編みやすさよりも仕上がり重視の指定です。進行方向の指定は本によって方針が違っていて、常にリングがオモテ(Right side)と指定している本、外側のパーツをオモテ(Right side)と指定している本などいろいろあると思います。もしあなたが本を作るなら、このルールは本の中で一貫しているのが大事です。


4. 誤字脱字のチェック

ここが一番ご苦労をかけた部分だった気もします。
私の作ったもの、マジで誤字が多い😭😭😭😭😭 先生ごめんなさい。無数の誤字・誤記があったものを正誤表で間に合う量まで減らしていただきました。ありがとうございました。




裏話2は以上!あとは英語版について書きます〜


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